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ワンマン経営者

管理職以上の人間は、ワンマン経営者(ワンマン上司もはいりますが)の傍らで仕事することほど危険なことはない

ニデックの岸田社長が辞任した。
いろいろなことがあったと思うのだが、そもそもワンマン経営
者のもとで働くとは危険そのものだ。
転職を斡旋するエージェントでは、ワンマン経営者がいるとこ
ろへ人材を紹介しないケースさへあった。
私が有料の人材紹介会社を訪問した際、担当者からそちらの企
業へは人材を紹介できない、と明確に断られた。
業界内で、おたくの会社の経営者は評判ですよ、と言われた。

人材紹介した人間を何度足蹴にしたか知っていますか、と担当
者が言う。
なるほど経営者の悪い評判は、このような企業の担当者にまで
広がるものだ、と理解した。
結局、人材紹介してもらえなかったのだが、経営者自身の身か
らでたさびだろう。
私は会社へ帰って経営者にこの事実を伝えた。
経営者は「そんなに悪いのか」と聞いてくるので、私は正直に
悪いです、と話した。
経営者は、しばらく沈黙したあと「わかった」と、私に告げた。

ニデックに関しても人材紹介会社のなかでは、経営者に関する
情報は知れ渡っていたのではないか、と思う。
もっとも、経営職であれば、相応な報酬を得ることで転職する
人たちもいるだろう。
しかも、大手企業の人間であれば、ワンマン社長の体質と無縁
だろうから、入社していっしょに仕事をするまでワンマン経営
者のマネジメントを体得することはできていない、と考えられ
る。
現実は、ワンマン体質をほとんどわからず転職するはずだ。

転職してツパれば、早々に追い出されるし、言うことばかり聞
いていれば、危ない橋を渡らせられる。
ワンマン経営者のもとでは、安定して職場生活はなかった。
それを知り、適切に仕事の切り盛りしながら辞めるタイミング
を見計らっておかなければならない。
私程度でも、退職時、脅かされて慰留されたのだが、私は脅し
にめっぽう強い。
好きにしてください、といって辞めた。

この国の転職は博打と同じだ。
とくに中小企業へいく場合、覚悟がいる。
だいたいワンマン経営者が多いからだ。
すべではないが、話を聞く経営者は、極めて少ない。

もっとも、ワンマン経営者だけが問題なのではない。
大手企業といわれるところでも、経営レベルが低い会社は逃げ
なくてはならない。
こちらも逃げるための算段がいる。
会社というところは、人間にもよるのだが、私のように挑戦的
な体質の人間は好まれないものだ。

それでもソニー子会社のように成長できる会社を辞めた理由は、
会社が大きくなると組織としてのマネジメントが優先されてい
く。
私には、これがおもしろくない。
しかし、転職すれば、ワンマン経営者だった。
この国の企業社会は逃げ場がなかった。
それでも自分で決めた道を歩いてきたので悔いがない。
おもしろおかしく、こんなくだらない備忘録を書けるのは、そ
のおかげだ。
人生とは、気ままにやれるところなのだが、つけはしっかり自
分にくるところだ。

社会的問題を起こす経営者から逃げるのは、その人のセンスだ
ろう。
それを他人は、生き方という。

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