経理 記帳代行ならエヌエスアカウトスタッフ

オペレーション

トライアルは福岡から出た企業だが少々中身が違った

トライアルは福岡(福岡市)から事業を展開している流通業だ。
私が福岡で営業をやっていた時代、1981年~1990年の
間はまったく無名の企業だった。
私は、その名前さへ知らなかった。
次の記事(有料)を読んで、その理由がわかった。

新コンビニ・トライアルGOの都内進撃を支える「3人のキーマ
ン」、セブンやイオンにはいない“非小売り幹部”の異色経歴 |

私が福岡を離れた1990年ごろトライアルは生まれていなか
った。
記事には『実際、トライアルHDの前身であるあさひ屋は、197
4年に開業した福岡市のリサイクルショップだった。92年にデ
ィスカウントストア「トライアル」へ業態を転換。2000年代
初頭に総合スーパー(GMS)の撤退が相次いでいたことに目を
付け、その跡地に出店する戦略で勢いに乗った』とあった。
トライアルは、私が福岡を離れた2年後に創業したようだが、
事業展開をみれなかったのは残念だ。
その後、ソニー子会社の管理部門へ転職したので流通業の事業
展開の推移をみる機会を失った。
私は、総務や人事の仕事を覚えるのに忙殺していた。

トライアルをはじめて知ったのは、この地のダイエー跡(ハイ
パーマート)にトライアルが出店したからだ。
数回店舗へいったことがあったのだが、なんだか雑然とした店
舗作りだったので、それから行くことはなかったのだが、近隣
には、新規のトライアル店舗が展開をはじめた。
こちらの店舗は、どこもきれいな店舗作りになっていた。
それでもわが家から少々離れていたのでいく機会はなかった。

ところが私が驚いたのは、西友の買収だった。
西友は営業時代によく訪問した店舗だ。
本社の担当は、課長がおこなっていたのだが、店回りは新入社
員の十八番だった。
新卒入社時、電車に乗ってよく西友の店舗を訪問した。
当時、私が在籍していた会社は化粧品を販売していた。
ロレアルの化粧品やJean Naté という入浴剤、さらにMennen
のシェービング・フォームを取り扱っていた。
西友の店舗では、Mennenのシェービング・フォームの受注が
できた。
新入社員には、ティッシュペーパーなどの紙製品や化粧品の受
注ノルマが毎日あった。
西友は、比較的どちらの製品も受注できたからだ。
そんなわけで受注したさに、自分のテリトリー内にある西友の
店回りをした。

そんな西友がトライアルに買収されるから仰天同地だった。
買収されるにも、別な流通企業ではないか、と私は考えていた
からだ。
トライアルのノウハウを活かすとしても、歴史や規模からして、
なかなかむずかしいのではないか、と考えた。
ところが、私が想像していた事業展開とはまったく違っていた。
西友を核店舗としながらトライアルGOという小型店舗の展開を
急いでいる。
よく考えられた事業展開だ。
西友は、トライアルのオペレーションで対応できるだろう。

本来、セブンイレブンがヨーカドーと連携を取りながら進める
べき事業展開だったのだろうが、しかし、セブンイレブンを日
本に定着させた鈴木さには、このような事業のやり方は、邪道
だと考えていたように思われる。
それとも、まったく思いつかなかったか、だ。
セブンイレブンは、外部業者へ自社オリジナルの総菜などを発
注していく仕組みを採用した。
全国展開するために日配品事業者と組む必要があったのだろう。
日配品供給業者とともに全国展開が進む。
しかも、コンビニでありながら高級路線を展開した。

それに比べると、トライアルGOは、西友の店舗と総菜部門を
活用したローコスト路線だ。
価格における勝負は、すでにローコストオペレーションで決ま
っている。
セブンイレブンは、簡単にできない。
日配品をつくる事業を簡単に切れないし、ヨーカドーはすでに
売却されているからだ。
もっとも、セブン・アイホールディングスと創業家が約40%
の株式を所有しているし、セブン&アイは祖業である総合スー
パー事業から離れ、主力のコンビニエンスストア事業(セブン
-イレブン)に経営資源を集中させている。

トライアルGOは、まさにこのようなコンビニを狙い撃ちでき
る。そもそも発想が大胆だ。
西友を傘下に収めるための戦略と戦術がよく練られている。
もっとも、配送業者を外注しているため、トライアルGOの価
格は、西友価格に配送代の40円がプラスされている。
配送コストをきちんと価格に反映していることは、正しい販
売方法だろう。
それでも既存のコンビニにはない価格帯だ。

トライアルの元々のビジネスはシステム開発会社だったと、
ある記事で読んだことがある。
西友の社長は、元情報システム部門出身だし、総菜部門の責任
者は調理師専門学校卒だ。
トライアルGOは、東京大学出身の35歳の若者だ。
これだけ年齢や学歴、あるいは経験年数などを問わないで抜擢
人事ができることが、創業者永田久男氏の経営能力だ。
権限移譲が見事にされている。

セブンイレブンもシステム能力には目を見張るものがあったの
だが、トライアルは、ローコストオペレーションを徹底する仕
組みを考えていた。
このようなタイプの小型店舗の展開は、既存のコンビニを脅か
していくだろう。
実質賃金が上昇しないわが国では、国民の多くは、可処分所得
が少なくなるばかりであり、30年間続いたデフレの環境が身
にしみついている。
安さに飛びつくだろう。

わが家の近隣のスーパーでも日替わり特売や総菜などで勝負で
きているスーパーは人を集めている。
スーパーを含めてコンビニとの垣根がなくなり、ローコストオ
ペレーションが可能なトライアルGOに、流通各社は目が離せ
なくなるだろう。
市場は生き物だ。
顧客を動かす要素を的確に把握し、すぐにオペレーションを変
えることができる企業しか生き残ることができなくなるだろう。
人間の挑戦意欲をみる思いだ。
福岡の企業だが、私と接点がなかったことは寂しい限りだが、
挑戦意欲が旺盛で、市場を変革していく力には敬意を表さずに
はいられない。

このような会社の中核部門で仕事ができる人は、厳しいことば
かりなのだろうが、きっと人生は豊かになるだろう。
創業経営者といっしょに歩けるからだ。
そんな時間は、今しかない。

news allread more

share this one