大手メーカーを含む業界団体とは、談合の本丸ではないだろう
か。業界の課題を集約し、政策に反映してもらうために政治へ
つなげる役割などを担っているのだが、このような団体の役員
は大手企業の人間が担当していることが多い。
業界団体のなかでは、非公式な話もするだろう。
私がいたメーカーでは、会社の指示(誰かはわからないのだが)
で九州エリアの複数企業の責任者が会合をもち、値上げ価格の
調整とどの企業から値上げを進めていくかを話あっていた。
私は、会議でこのような談合の経緯を聞きながら、実際の商売
ではひとりで価格を決定していた。
当然、市場で問題になり、他社メーカーの人間から名指しで指
摘を受けた。
私がいた会社の責任者に確認されたが、私は、しらを切った。
こんな談合のために仕事しているのではない、とひとりで考え
ながら仕事をしていた。
私は、上司であれ納得できないことには逆らうタイプだ。
従業員としては問題があるのだろうが、人間としてはまっとう
だ。この会社をやめる動機にもなった。
こんなぐだらない会社で人生をかけられるか、と。
きようの日本経済新聞に『ビール大手4社を強制調査、出荷価
格でカルテル疑い 公正取引委員会』という見出しで記事がで
ていたのだが、私の話は、40年ほど前の話だ。
談合に関しても、これまでいろいろな法整備がなされているに
もかかわらず、まだやっているのだ。
開いた口がふさがらない、とはこのことだ。
私はお酒をやめたのだが、こんな連中が売る酒など飲みたくも
ない。
記事には『国内のビール市場は大手4社がシェアの9割超を占め
る。原材料価格などの高騰を理由に値上げが繰り返されるなか、
年間出荷額が1兆円超の巨大市場で価格調整の疑いが浮上した。
消費者が不利益を受けていた可能性がある。
強制調査を受けたのはアサヒビール、キリンビール、サッポロ
ビール、サントリーの4社。公取委は検察当局への刑事告発を
視野に実態解明を進める。
関係者によると、4社は数年前から卸売向けのビール出荷価格
(生産者価格)で値上げ幅などを調整し、価格カルテルを結
んだ疑いが持たれている』とある。
消費者のことなど考えていないことは、私の経験でもわかっ
た。ただお家大事なのだ。
徳川時代ならいざ知らず、今だにこの国の社会制度は、当時
と大差ない。
私は、このような企業社会は気持ち悪かった。
ソニー子会社へ転職してからも、大型映像装置の談合でソニ
ーにも調査が入った。
当時の販売部門の部門長は責任を取らされた。
東大での優秀な人間だったのだが、日本社会の波にのみこま
れた。
わが国は談合が発生しやすい社会だ。
人間関係が密な社会だからだろう。
とくに大企業が主導する業界団体は、この本丸だ、と私は自
分の経験を通して思っている。
ビール業界だけではない、と消費者は考えておいたほうがよ
い。バレないように細心の注意を払って談合はおこなわれて
いる。
公益通報者保護法などで通報すれば、通報した人間が不利益
を被るような社会だ。
大企業というところは、伏魔殿でもある、と知っておこう。
企業イメージとはずぶん違いがあるところだ。
それと比較すれば、中小企業の問題は、経営者のワンマン程
度だ。
人間関係がこじれることくらいなので、嫌ならやめて、他社
へいけばよいのだが、次の中小企業へいっても同じ状況が多
いことが問題だ。
そう考えれば、中小企業の経営者が、しっかりとマネジメン
トを覚え、具体的に実践できれば、中小企業というところに
は未来が生まれる。
中小企業は、談合など無縁なところもよい。