わが国の経済は、デフレ下の30年のため、諸外国の経済と比
較すると産業構造の変化が少ないもになっている。
いわば昭和を引きづった構造ともいえそうだ。
だが、成長がないわけだから、ひたすら耐えぬいた期間でもあ
った。
中小企業も同様に耐え抜いた時代だっただろう。
それでも大手企業も中小企業も、倒産に至るケースは多かった。
資料:楽天証券
2012年以降、安倍政権下で実施された「アベノミクス」の
経済政策によって、ようやくわが国の経済は復調基調に戻して
きた。
いろいろな問題はあるのだが、私は、この政策を是認している。
そんな経済状況は、今では顕著な人口減少によって生産人口が
毎年縮小していく時代を迎えている。
わが国は、そのような経済環境にあるのだが、さらに2022
年のウクライナ戦争の勃発によって、世界経済はコストプッシ
ュ型インフレの影響を受けことになった。
わが国でも、当然、その影響を受けている。
今年は、米国とイスラエルによるイラン攻撃がはじまり原油価
格が上昇しているのだが、同時に、供給先の変更から、それに
対応するための輸送コストなどが上昇している。
昭和のような経済成長であればよいのだが、今のインフレは、
コストプッシュ型インフレだ。
ここが中小企業にとって最大の問題となる。
材料費など原材料価格を販売価格へ転嫁できればよいのだが、
中小企業では、それがなかなかできない。
コストプッシュ型のインフレは継続していきそうだし、そのう
え金利が上昇してる。
中小企業にとっては、デフレ下の経済環境より、さらに厳しさ
が増すだろう。
東京商工リサーチの記事には『日銀のマイナス金利解除後、企
業向け貸出金利が上昇局面を迎えている。2016年1月のマイナ
ス金利の導入決定後、低金利での資金調達環境が続いた中小企
業では利払い負担の増加が収益圧迫を招いている。
その一方で、預金や貸付金から得る受取利息は上昇する。企業
の推定支払利子率、推定受取利子率に対し、それぞれ0.25~
1.00ポイントを一律に加え試算すると、2025年の決算を基に金
利が0.50ポイント上昇した場合、平均経常利益は2025年の
4,725万円から4,642万1,000円に減少し、赤字企業率は27.7%
から29.4%に上昇した。
<中略>
2025年1-12月期の財務データを取得できた中小企業を対象に、
受取利息と支払利息割引料から推定した利子率が上昇した場合
の経常利益や赤字企業率を試算した。
2025年1-12月期の中小企業の平均支払利息は450万3,000円、
平均受取利息は207万円で、平均負担額は243万3,000円だった。
平均経常利益を試算すると、2025年の4,725万円から、0.25ポ
イント上昇で4,683万5,000円、0.50ポイント上昇で
4,642万1,000円に減少。1.00ポイント上昇では4,559万1,000円
と、2025年から3.5%減少(165万9,000円減)する。
赤字企業率も2025年の27.7%から、0.50ポイント上昇時には
29.4%、1.00ポイント上昇時には31.0%へ悪化する。
金利上昇は支払利息、受取利息を押し上げるが、中小企業全体
では支払利息の増加が受取利息の増加を上回り、損益悪化と赤
字企業の増加が進む試算となった』とあった。
こんな状況のなかでも、大手企業のなかには、初任給を40万
円にするところがでてきた。
しかも、国内市場は確実に縮小している。
どうみてもわが国の市場だけに身をゆだねる中小企業に未来が
あるようにはみえない。
中小企業が置かれた状況は、これまでの経済環境のなかでもっ
とも厳しい時代を迎えている。
海外と直接取引する企業が増えているようだが、その管理は中
小企業にはハードルが高いだろう。
ところが、現在では中小企業でも扱える貿易システムがある。
貿易管理システムに関しては、余裕があるうちに検討しておか
なくてはならない。
中小企業では、これから海外への直接販売は当たり前になる。
理由も簡単だ。
生き残るためだ。
この国の中小企業が挑戦を忘れ、学びもしなければ、行き着く
先は決まっている。
