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人間

経営者にとって負担が増えていくのだが、わが国の一部経営者がやらかした代償だ

わが国の上場企業の一部経営者が起こした不正会計などのため
に、ガバナンスに関する諸制度は益々厳しくなっていくようだ。
経営権(企業の経営を支配・執行する権利)とは、そもそも慣
習法(成文化されていないが、社会や組織内で法的な拘束力を
持つに至ったルール)だった。
本来、経営者は、ノブレス・オブリージュという道徳観をもっ
た人でなければならない。
それを高貴たる者の義務という。
経営者など財産、権力、社会的地位の高い人は、それに見合っ
た重い責任や義務(道徳的な行動や社会貢献など)を負うとい
う欧米の考え方だ。

もっとも、米国に限らず高貴たる者の義務など吹き飛んだ社会
になってきた。
日本社会も同様だ。
経営者に限らず従業員の業務上横領や詐欺などの犯罪が増えて
いる。
しかも、金額は数億円規模だ。
私には理解しがたい額だ。
私は、そんな金を何に使うのだろうか、と新聞報道を読むたび
に思ってしまう。

経営者の不正は、虚栄心の表れだろう。
己の力を誇示するためだ。
なんのことはない、砂上の楼閣だ。
そして、そんな経営者は、突然表舞台から消える。

昨日の日本経済新聞の記事だ。
『金融庁は上場企業の経営者に対し、有価証券報告書の作成・
開示手続きを自ら確認して適切に機能していることを宣言する
よう義務付ける。2027年春にも内閣府令を改正する。経営責
任を明確化し、ニデックで起きたような会計不正を抑止する狙
いがある。

上場企業は事業年度ごとに経営状況を詳細に記載した有報を提
出している。今回の改正では有報と同時に出す「確認書」の記
載内容を厳格にする。

具体的には①正確な有報を作成し、開示する手続きが社内で整
備されている②社内のチェック体制が実際に機能しているか自
ら点検したこと――を経営トップらの名前で記載するように義
務付ける』とあった。

私は、どのように制度変更したとしても、不正会計などはなく
ならない、と思っている。
理由は、人間そのものの存在だ。
時代は、金融全盛の時代だ。
みな金に目がくらむ。
普通は収入のなかで生活を維持していくものなのだが、仕事は
良い面もたくさんあるのだが、金遣いなどの悪い面がある。

何を軸として生きるかは、その人次第だ。
制度を強固にしたつもりでも、必ず抜け穴ができる。
それに手を入れるかどうかは、その人の生き方そのものだ。
軸をつくるのは、なかなかむずかしい。
多くの人たちは、まわりの環境に流されるからだ。

私もずいぶん遊んできたが、すべて自腹だった。
自腹には限界がでてくる。
自分を知る。
人様の金で飲んだり、ゴルフをすれば、いずれ麻痺して自分が
わからなくなる。
経営者が権力を行使する場合も同様だ。
金と権力=自分
社会との接点をなにで作っておくか、ということは自分自身だ。
本来、ガバナンスを構築するとは、株主だけのためではない。
社会との接点をもつことだ。
軸がある人は、権力や金には限界があることを知っている。

社会とは限界を知る場所だ。
そして自分自身を知る。
私には、社会とは自分を見失うな、という学びの場所だった。
人間とは、どこまでいっても社会の檻のなかで生きていくもの
だ。
檻を知っているから自由なのだ。
そして権力や金からも自由になれる。

軸とは、私は高貴ではないのだが「高貴たる者の義務」を体得
することだ。
どのような時代であろうとも、社会は制度で成り立っているの
ではなく、人間そのもので成り立っている。

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