8月21日付日本経済新聞に『高度専門人材を「時価採用」 三
菱UFJ銀行は30代で部長級賃金』という見出しで記事が載った。
日本社会には、あまりなじみがなかった「Up or Out」の社会が
生まれる気運になるのだろうか。
記事には『高度専門人材を獲得するため、大手企業が就業規則
や社内制度の変更に動いている。年功序列型の一般社員とは一
線を画したジョブ型賃金などの手法を工夫し、人工知能(AI)
分野などを担う人材を市場価値に見合う高い賃金や処遇で迎え
る根拠を整える。外資系も交えた争奪戦に対応するためだ』と
あった。
会計事務所や法律事務所では、よく聞く制度だが、日本社会で
は終身雇用制のなかでほとんどみられない運用だった。
記事の内容だけで「Up or Out」社会が生まれるかどかはわから
ないのだが、私が想像するには、高い報酬を払うということは、
高い業績や成果が求められるということだ。
このような環境は、業績や成果を出せば雇用が継続されるが、
低い業績と成果であれば、会社を辞めてもらうことが前提とな
るはずだ。
要は、自分の能力をフル回転して業績を上げて高い報酬と地位
を得る。
反対に業績を上げれなければ、ポジションを去ることになる。
去らざるを得ない、ということだ。
ところが、日本の労働関係には、労働基準法や判例などの制約
が多い。
記事には『年功序列型の賃金制度を持つ企業が急に高賃金を提
示しようとすると、就業規則やその一部である給与規定に根拠
がないことが大きな壁となる。
一般社員の基本給に高額の調整給を積み増すことで一時的には
高賃金を実現できる。だが労務管理の専門家の多くは調整給の
支給が恒久化し、法的に基本給と同視されることの危険性を指
摘する。時間外・深夜休日手当、場合によって賞与、将来の退
職金までが膨張するからだ。』とあった。
私は、この点が課題となるのだろうが、年齢にかかわらず一千
万円以上の高額年俸を支払う社員には、労働基準法の適用外と
する法制度の改正が必要だと思っている。
日本の場合、多くのことで横並び体質だ。
昭和の上り坂では機能していた仕組みなのだが、人口減少や経
済成長力がなくなった社会では、個人の能力を最大限発揮する
仕組みが求められる。
まあ、本音で書けば、終身雇用も絵にかいた餅になってきた。
現状正社員であっても、その企業にとって必要がなくなれば、
いろいろなやり方で退出(会社から出てもらう)させる、こ
とは少なくないだろう。
やり方は、企業によって違うのだが、それが現実だ。
むしろ、このような高額な報酬で働く人間は、自ら個人事業主
としての意識が必要になるだろう。
社会制度に頼ることなく、自分の力で渡り歩く感覚だ。
制度の変更には、この国はとくに時間がかかる。
そんな環境でも自らの意識と行動力があれば「Up or Out」社
会を自分で作ることはできる。
私は安い賃金だったが、そのような意識で企業社会を渡り歩
いた。
誰に対しても責任を求めない。
自分で責任をとってきただけだ。
そのときは、辛い場面も、もちろんあった。
そんなものは時間とともに忘れる。
「Up or Out」に生きるとは、主語は自分だ。
会社や社会が主語になることはない。
きついことだらけだが楽しい。
常に自分が主体になるからだ。
人生を笑って過ごせる。