昨日の日本経済新聞には『日本の15歳、学力高いが好奇心低く
数学と科学は世界5位・読解4位』という見出しで記事があった。
記事には『経済協力開発機構(OECD)は8日、91カ国・地域の
15歳約76万人を対象に2025年に実施した学習到達度調査(PISA)
の結果を公表した。日本は3科目いずれもトップ級を維持したも
のの、好奇心や主体性などに課題がみられた』とある。
さらに同記事では『「物事の仕組みを知ることが好き」かどうか
について「まったくその通り」「その通り」と肯定的に回答した
生徒は59%で、OECD平均(74%)より低かった。「好奇心が強
い」「新しいことを学ぶのが好き」も平均を下回った。
勉強がうまく進まないときに取り組み方を変更するかどうかな
ど、学習を自律的に進める力を聞いた各項目でも平均を下回っ
た』と書かれていた。
私は、幼いころから疑問だらけだった。
社会とは、家庭とは、人間とは、疑問だらけだ。
幼いころ、私は小児ぜんそくを患っていたことから、一人で苦
しむ時間が多かった。
なぜ、自分だけが、という疑問が自分を襲ってくる。
今思い出しても苦しく辛い生活だった。
発作がでると夜眠れなくなる。
一人、真夜中に起きている自分が何回あっただろうか。
現在、ぜんそくは治り、幼いころのような辛い生活はないのだが、
それだけ自分に対する疑問が薄らいでいるのかもわからない。
人間は他人と違う状況におかれたとき、疑問が旺盛になるようだ。
なぜ、という疑問が確実に自分自身に問いを求めてくるからだ。
病気が治ってくれば、疑問は自分以外のものに向いてきたのだが、
自分自身に向かう疑問から比べれば、低俗なものだろうか。
それでも、いろいろな疑問が自分自身の行動を決めてきたように
思う。
なんでこのようにレベルが低い経営なのだろうか。
解があるのに、なぜ経営者は、その問いに向き合おうとしないの
か。
経営者や管理職のマネジメントに対する疑問は尽きることがなか
った。
好奇心、が私自身に転職という行動を促した。
行動の軸は、好奇心だ。
新卒で入社した企業からソニー子会社へ入社できたことは、人生
の一大イベントだった。
マネジメント能力が低い経営からマネジメント能力が高い経営を
みることができたからだ。
この差は大変なものだ。
転職する以外に、私がもっていた疑問は解決できなかっただろう。
もっとも、その後の転職でソニー子会社で学んだ経営マネジメン
ト以上の経営をみることはなかった。
この差こそ、事業を成長発展させていく原動力だ、と体得できた。
日本の中小企業の経営者や大手企業の経営職、あるいは管理職の
なかでも学ばない人間は少なくないだろう。
むしろ、学ぶ人を探すほうが大変だ。
その点、ソニー子会社時代の社員たちはよく学んでいた。
幅広く学んでいるので、人それぞれに違った内容がみえてくる。
もちろん、会社の研修ではない。
みな自腹を切って、それぞれが学ぶべきテーマを探って学んでい
た。
みな好奇心が旺盛だ。
私は自ら学んだ労務関係の知識を、私に聞いてくる社員に必要に
応じて話をしていた。
仕事ではない。
休み時間などに、それぞれ話をした。
要は、会社のなかは、朝から晩まで、そして一杯やるときも学び
の場だった。
企業が成長しないわけがない。
会社の事業に必要な要素は、社員たちが勝手に持ち寄ってくる。
学びの場は人間を成長させ、そして企業を成長させていった。
成長していく企業とは、常に学びの場であり、好奇心旺盛な人間
の集まりだった。
そんな会社は、ソニー子会社以外にみることはなかった。
やはり、他社でみたことがない人間たちが集まっていた。
ソニー本体と違い、学歴はたいしたことはない。
多くは高卒だ。
だが、自ら学ぶ姿勢と仕事に向き合う姿勢は同じだった。
研修などいらないくらい自分自身で学んでいた。
好奇心が旺盛な人たちだらけの職場は、自由に情報が行き交って
いた。
そして笑いがあった。