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情報

水が流れるがごとく、情報も下へ流れていく

企業へ在籍して仕事をしていると、社内における情報は水の流
れと同じだ、と感じる。
経営者が高いところへいれば、情報は経営者が発信する情報の
流ればかりになる。
反対に、経営者がいつも社員よりも下のポジション(見かけ上
だが)へいる場合だけ、社内の情報が経営者に流れ込む。
もちろん、経営者だから経営判断をし、経営責任をとる立場だ
が、なにも偉そうにしている必要はない。

いつでも気軽に社員と会話を楽しめばよい。
社員という生き物は、社長へ畏怖の念をもっているものだ。
自ら偉そうにしなくとも、社員からみれば、偉くみえる存在だ。
どんなにダメな経営者でもだ。

ところが、こんな簡単なことが理解できな社長は多い。
ひたすら俺は「社長」とばかりに振る舞う人間がいかに多いこ
とだろう。
私が尊敬していたソニー子会社の元社長(昨年90歳で亡くなら
れた)は、偉そうなのだが、気さくな人だった。
多くの社員たちと気軽に会話ができた。
もちろん、社内は笑顔に溢れていた。

この社長は、可能な限り水の流れの一番下にいるように思えた。
この方のところへは、あらゆる方角から情報が流れ込んでいた。
良い情報も、悪い情報もだ。
私の上司が、社長へ都合がよい報告をしようものなら、烈火の
ごとく怒鳴られていた。
管理職とは、上司から怒鳴れるための手当をいただいている立
場だ。
この場合、社長の怒鳴り声は決してパワハラにならない。
上司と人間関係ができていたからだ。
怒られるのは、決まってこの人(上司)だった。

私の上司は、面食らってはいるものの、いつものことだから心
配いらない。
社長のほうが上司より、現場に関して知り尽くしていた。
現場を歩くことなくもってくるくだらない報告など木っ端みじ
んだった。
私は怖くなかった。
常に現場の人間と話をするからだ。
もちろん、現場の言いなりになるわけではない。

この社長は、私の性格を見抜いていた。
こいつ(私)が腹をくくってもってきた提案かどうかを、社長
自身が理解しており、こいつ(私)の提案に反対(拒否)すれ
ば、会社を辞めることもあるだろう、と。
私は、どこへいっても腹をくくっているから怖さがない。

この社長ともうひとり創業社長を除いて、水の流れのなかで下
流にいた人はいなかったのだが、この二人の社長だけは、常に
下流にいるので社内のあらゆる情報が集まった。
なにも社員にへりくだるわけではない。
情報が流れ込むように振る舞えるのだ。
いろいろなタイプの役ができる。
社長の役も、平社員の役もできる。
管理職の役など簡単だっただろう。

経営者は変幻自在でなければ務まらない。
社内の情報は、とくに悪い情報ほど上に流れていくことはない。
そうであれば、経営者は、自ら下のポジションへ降りる必要が
ある。
やり方は、その人間(経営者)の個性を踏まえてやればよい。
もっともいけないのは、自ら偉ぶる所作だ。
人間性が丸見えだ。

私は、二人の役者(経営者)と仕事をしているときがもっとも
楽しかった。
お互い腹が座っていたからだ。
常に真剣勝負ができた。
もっとも、緊張が続く毎日だったのだが、とてもゆかいでおも
しろかった。

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