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管理体制

ベンチャーだけではないのだが、管理スカスカ企業は多い

私が在籍したベンチャー企業は威勢がよかった。
もっとも、ベンチャー企業は3社しか私は知らないのだが、あ
くまで推測だが、管理体制がスカスカ状態になっているところ
は少なくないだろう。
経営者は、売上ばかり気にして管理に対する認識が低い。
その理由のひとつが、大手企業などの経験がなく、管理そのも
のの意味が体得できていないことだ。
もうひとつは、上場前に管理体制をチェックされるのだが、わ
が国の上場は形式主義で実態が伴っていないことにある。

経営者が管理を体得するチャンスは、大手企業などの経験か、
上場前の学びしかない。
上場を支援する側も経営者に甘い。
手数料やキャピタルゲインを狙っているからだ。
上場後、管理体制なき実態は、あるとき突然爆発する。

はてなが、今年4月に発覚した11億円資金流出事件には驚いた。

「残業203時間」「1人で11億円送金」──はてな事件報告書が暴
いた“経営の無関心”

記事の一部だが『4月20日午前8時2分、経理部長のH氏の私用
携帯に、警察関係者を名乗る人物から電話がかかってきました。
「あなたは資金洗浄事件に関与していると疑われている」と告
げられ、家族への口外も禁じられました。ビデオ通話では偽の
警察手帳や検察官証まで提示されました。

H氏はその後の作業を「捜査協力」だと信じました。午前10
時39分ごろ、正体を理解しないまま会社貸与PCにリモートデス
クトップをダウンロード。10時42分ごろには、外部からPCへの
接続が確立しました。詐欺グループは遠隔操作で会社のオンラ
インバンキングを操作しました。

同時にH氏は、社内の経理メンバーにも、別の口座へ資金を
移すよう指示していました。その社内口座間の移動は計9億40
00万円に達し、結果として、詐欺グループが操作できる口座へ
「補給」する形になりました。最終的に外部へ不正送金された
金額は、11億7981万円です。

つまり正確には「従業員が11億円を自ら詐欺師の口座に振り
込んだ」という単純な事件ではありません。心理的に追い詰め
られた従業員による社内資金移動と、遠隔操作された会社PC
が組み合わさった事件でした』とある。

実直な経理部長が、真面目に業務対応したのだろう、と思って
いるのだが、それにしても内部けん制機能は、まったく働いて
いない。
この経営レベルでは、内部監査機能もないだろう。
このようなベンチャー企業は多いのではないだろうか。

私がみてきた範囲だけだが、内部管理体制はお粗末の一言だ。
しかも、経理部長は創業期から長く経理部門を担当しているの
だが、上場レベルの知識や経験はなく、上場そのものが危ない
ものだった。
それでも上場できたのが不思議なくらいだ。
私は、当然だが、うるさいタイプで管理に対して厳しく直言す
るので上場前に干された。(役職降格)
言ってもわからない経営者に半年でおさらばした。

その後、上場できたのだが、株価は低迷、業績も上がらず、最
後は身売りした。
私からすれば、上場以前にみえていたことなのだが、上場の熱
気にまわりは踊らされていた。
こんな企業は多いのではないだろうか。
その後、経験したもう1社も同様に半年でおさらばだ。
企業は労務問題を発生させ、上場もできず、数年後に倒産した。

恐ろしいことだが、ベンチャー企業の管理体制の実態は、どこ
も似たり寄ったりではないか、と私は推測する。
もっとも、スタンダードやプライム上場企業においても、管理
体制や内部監査機能が十分に働いているかどうかは、疑わしい
部分がある。
とくに内部監査機能の構築には、長い時間とお金がかかる。
なぜ内部監査が必要なのか理解できている経営者は少ない。
経営者に尋ねてみれば、すぐにわかるだろう。
むずかしい言葉はいらない。

即答できる経営者は、内部監査組織を機能させている。

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