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利益剰余金

中小企業でも売上高100億円を超える企業は結構ある

中小企業基本法における中小企業の定義は、製造業・建設業・
運輸業その他の業種では、資本金3億円以下、従業員数が300
人以下の企業だが、資本金か、従業員数のどちらかを満たして
いればよい。
小売業であれば、 資本金5,000万円以下、従業員数50人以下と
なっている。
サービス業では、資本金5,000万円以下、従業員数数100人以
下である。

私が就職活動をした時代(私はたいした就職活動をしていない
のだが)、資本金は大きいほうがよい、と信じていた。
上場している大企業の資本金は、どこも大きいからだ。
入社してからも当分の間、そう思っていただろう。

その認識が変わりはじめたのは、数十年前、中小企業を知るこ
とになってからだ。
とくに1社、資本金が小さいわりに利益を出していた企業に転
職したからだったのだが、この会社、創業者が全株式を保有し
ていた。
いわゆる同族会社だ。
同族会社とは、特定の少数株主グループが発行済株式総数や議
決権の50%超を保有し、実質的に経営権を支配している会社の
ことをいう。
そのときはじめて同族課税を知った。
同族課税は、同族会社(特定の少人数が株式の過半数を保有す
る会社)に対して適用され、税負担の公平性を保つための特別
な法人税の規制や課税制度である。
同族課税の主な特徴は、留保金課税(特定同族会社の留保金額
に対する法人税)という制度があり、会社が利益を出しても配
当を出さず、必要以上に利益を内部留保した場合、通常の法人
税に加えて特別税率で課税される仕組みになっている。

この会社は、当時の売上高が約130億円でかなりの利益を上
げていたのだが、資本金は9,000万円だった。
もちろん、留保金課税されており、経営者には、なんと言えな
いやるせなさがあったようにみえた。
税制である以上、受け入れざるを得なかった。
この会社は中小企業基本法でいえば、中小企業だったのだが、
実態は中堅企業だ。
経営者は独立自尊の人であり、自ら収益モデルを構築していた。
私は株式公開するために転職したのだが、経営者の判断で上場
を延期した。
私がいる理由もなくなった。

このように資本金は1億円以下だが、経営実績は、無借金経営
という申し分ない内容だった。
経営は、資本金ではわからないということを体得できた瞬間だ
った。
経営とは資本金の多寡ではなく、利益を生み出すことができる
経営では、利益剰余金が積み上がり、蓄積してきた利益の累計
額がバランスシートに現れる。
中小企業における根幹は、現金だけがあるわけではないのだが、
毎期利益剰余金を積み上げていく経営をしていかなければなら
ない。

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