しばしば情報に接すると、なんだか不思議な気分になることが
ある。
私自身が釈然としないのだ。
情報として当たり前のことから学ぶことはなにもない。
理由は、簡単だ。
テーマの言葉ではないが、実際の現場に「当たり前」はない。
中小企業ほど、個別企業がおこなっていることには、大きな違
いがあるし、また、そこで働く人間にも多くの相違がある。
中小企業には、そもそも当たり前がない。
ある記事に『労働生産性は、従業員1人当たりが生み出す付加
価値額を示す指標。24年度の中小企業の労働生産性は665
万円で、大企業の1935万円と比べて大きな差がある。また、
中小企業の労働生産性は10年間ほぼ横ばいで業種により差が
ある』とあった。
これを読んでもなんら意味がない。
平均でしかないからだ。
こんな情報を知ったところで自らの企業の実態と比較すること
さへ時間の無駄だ。
せめて、規模や業種が同じようなところであれば、比較できる
のだろが、わが国の平均を自社の実態と比較しても意味はない。
また、大企業と比べる必要もない。
経営内容や要素がまったく違うからだ。
規模が大きくなれば、いわば自動的(意図的に)に生産性は上
がる。
生産性が上がるから大企業になれる。
中小企業は、自社の実態を把握することからしか、未来は見い
だせない。
大切なことは、自社の現実を把握することだ。
付加価値を上げるために、どのような工夫ができるかがもっと
も大切だ。
社員を教育し、創意工夫の意味を体得させなければならない。
その前提に、簡単な、非常に簡単な教育がいる。
どのような企業でも、現実は数字と違い、当たり前の世界はな
い。
それが企業が置かれた立場だ。
数字は大切な経営要素だが、平均になんら意味はない。
数字の真実をつかむことができる企業が成長していく。
数字を比較する時間があるのなら、自社の数字から現場の実態
をつかむことを優先すべきだ。
そこに企業の今と未来の種があるからだ。
総花的な情報が多い時代だが、中小企業ほど、そんな情報に振
り回されてはならない。
生産性を上げていく方法は、いくつもある。
自社が対応できる方法も、企業ごとに多種多様だ。
自社の現実のなかから、どれを選択するかという決断の連続と
その実行だけが、未来の事業を創っていく。
中小企業は、常に足元をみろ。
足元(現場)と数字をみることで変化を作れ。
数字は、変化のための起爆剤だ。
人生やビジネスには「当たり前という世界がない」、だからお
もしろいのだが、中小企業の経営がおもしろくないという経
営者は、そもそも会社をたたむべきだろう。