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監査法人

監査法人の監査以上に経営品質を高めることは可能だ

きのうの日本経済新聞に『監査法人の再編が本格化し始めた。
準大手の仰星監査法人と三優監査法人は23日、2027年7月中の
合併で基本合意した。中堅のふじみ監査法人も同日、明光監査
法人の吸収合併を決めた。規模拡大で人工知能(AI)投資を増
やし、会計不正の検知機能を高める。

【きょうのことば】監査法人とは 企業の財務情報精査、適正
なら太鼓判
監査法人は企業の財務諸表に不正や誤りがないかを第三者の立
場で確認し、保証を与える。投資家や金融機関が企業を評価す
る際に必要な情報の信頼性を担保する役割を担い、資本市場を
機能させるのに欠かせない。国内の上場企業の監査を担当する
監査法人は約130ある』と記事(一部抜粋)がでていた。

そもそも監査法人の監査を受ける対象は『上場企業の場合、金
融商品取引法により、投資家保護の観点からすべての有価証券
報告書提出会社に監査が義務付けられています。次に大会社と
いわれる会社法に基づき、資本金5億円以上または負債総額20
0億円以上の株式会社が対象となります。その他の法人・組織
などの国や地方自治体からの補助金を受ける学校法人や、社会
福祉法人なども法律や制度に応じて監査の対象となります』と
ネットにあった。

一般的には、上場企業の監査が知られているのだが、それ以外
にも監査法人は監査に対応している。
結論から言ってしまえば、監査法人の体制をいくら強化しても、
不正はなくならなし、今後も不正は発生するだろう。
企業における統治の考え方が、この国の経営者には希薄だ。
希薄というよりは、そもそも考えていない。
しかも、監査をコストと考えている経営者が多く、自ら不正の
温床をつくっているようなものだ。

何度監査法人や制度の改革をおこなったと思っているのだろう
か、問題の本質は監査法人ではなく、企業をどのように統治す
るかを考えていない(知らいない)経営者に課題がある。
取締役会は形骸化し、私にいわせればサロン化だが、取締役会
が機能している企業が何社あるのだろうか、と思ってしまう。

以前から書いてきたのだが、企業の統治をどのようにしておこ
なうかは、経営者の責任だ。
巨大企業の経営をおこなっていく経営者には、当然、その経営
責任が課せられるのだが、責任をどのように担保していかとい
う仕組みは自ら構築しなければならない。
監査法人の監査は、その前提のうえになされるものだ。

監査法人は、この国の形骸化した上場体制のために、その問題
がある機能の一部を担わされていたという時代があった、と私
は思っている。
実際、私は企業内部で、そのような体制をまじかにみてきたか
らだ。
とくに昭和のわが国は、国家体制において、いろいろな分野で
握りがあった。
いわばなあなあの世界だ。
それが経済のグローバル化の進展で、上場企業のガバナンスの
在り方が問われだしたのだが、国や東証は、形骸化した制度
(握っていた慣習制度)から実質的な改革をやろうと制度改革
を進めていった。
ところが、創業経営者などの一部の経営者のなかには、この点
を理解していない経営者がいる。
しかも、力があるワンマン経営者のなかには、わかっていても
やらない、むしろ自分の意のままに経営執行をおこなってきた
不良経営者がいた。
その筆頭にあげられるのは、旧カネボウの経営者やニデックの
経営者だろうか。

監査法人に問題があった言えば、それまでなのだが、それでこ
の問題の本質が変わるわけではない。
何回もしつこく書くが、企業経営は、経営者自身がおこなう経
営執行をどのような機能で担保するか、そして自らの経営責任
を明確化していくか、というプロセス管理のなかにある。
企業統治の課題は、法制度の問題だけでなく、あくまで経営自
身が、経営責任を明確にするために、自らの企業統治を法制度
だけにとらわれることなく、株主や従業員、あるいは顧客、さ
らに社会に対して、完璧ではなくとも適正な業務執行を証明し
ていくための機能構築をおこなうことにつきる。

だからこそ、経営者の経営能力によって企業の成長は大きく変
わるということだ。
ソニーには、ソニー自らが構築した経営執行を担保する機能が
あった。
企業は社会生活と同じように問題が発生するものだが、それを
最小限に食い止めるために、ガバナンスを適正に維持する独自
の機能を構築していた。
独自性があるのだから金がかかる。
コストでなく、機能構築の根底には、投資の発想があった。
ガバナンスの問題は、先ずもって投資の感覚が経営者に求めら
れる。
それが経営能力ということになる。

コスト発想の経営者には、経営能力はないだろう。
誰でもできるからだ。
中小企業の経営者は、事業規模を拡大していこうと思っている
のなら、はやめにこの事実を知らなければならない。
もちろん、このことを知らなくとも事業が拡大する企業はある
のだが、最終的には、無残な形で経営職を引くことになる。
中小企業には、未来に対する可能性がある。
だからこそ、創業経営者ほど、経営の原理原則を体得し、どの
ようなことにおいても投資の感覚を養っておくことは大切だ。

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