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中小企業

自然災害は、大企業の投資判断に影響を及ぼしていきそうだ

自然災害が多くなってきているようだが、大企業は、新たな工
場をつくる場合など、投資判断のなかに自然災害を、これまで
に以上に慎重に検討し、その判断材料にしていくのではないだ
ろうか。

きのうの日本経済新聞には『熊本県で最大震度7の揺れを観測し
た地震で、企業の工場停止が続いている。ソニーグループなど
が半導体生産を停止した。トヨタ自動車とホンダも九州の工場
で月内の生産を止める。港湾などインフラの被害も明らかにな
り、サプライチェーン(供給網)への影響が長引く可能性もあ
る』とあった。

図表:日本経済新聞

半導体製造には、不純物を極限まで取り除いた超純水が大量に
必要とすることから、熊本県が選択された、と想像される。
しかも、これまで自然災害が比較的少なかったエリアだ。
近年、線状降水帯による集中豪雨があったのだが、それでも他
のエリアよりは安定していたのかもわからない。
背後に阿蘇山が控え、豊富な伏流水が得られるエリアでもある。
半導体製造を中心に、それを支える企業が多く進出している。
私が知る限り、熊本県は地震が少ないエリアだ、という認識だ
った。
もちろん、阿蘇山の噴火は、私が故郷福岡に住んでいたときか
ら、かなりの頻度で発生していたように記憶する。

そんな阿蘇山の噴火は、近年、少なくなっていたような気がし
ていたのだが、そんな矢先、10年前、平成28年熊本地震が発
生している。
熊本県というだけで、私は驚いた記憶がある。
私が住むエリアでは、東日本大震災からわずか5年しか経って
いなかった。
次に大きな地震が発生するエリアは、私が住むエリアのなかだ
ろう、とくに房総沖を考えていた。
リスク管理は、可能な範囲でおこなっているのだが、時が経つ
につれて、やはり気が緩む。
再度、リスク管理を見直さなければならない。

平成28年の熊本地震は、まったく違うエリアであり、震度7の
地震が2回発生するという特異なものだった。
地震を学ぶ者からすれば、大きな地震が2回続くことは理解さ
れているようだが、私のような素人には考えが及ばない。
その地震から、まだ10年しか経っていない。

私が中小企業の挑戦を勧めているのは、災害に比較的強い存在
だからでもある。
大企業は規模が大きく、社会インフラを多く必要とする。
簡単に言えば、小回りが効かない規模になっている。
製造関連が復旧しても、そのまわりにある社会インフラの復旧
が整わなければ、生産を開始することができない。

この点、中小企業はそもそも規模が小さく、災害に被災しても
復旧に要する時間は少なくてすむ。
しかも、独自に復旧をおこなえる能力をもっている企業が多い。
社会というところは、多くの要素で成り立っている。
我々が考えている以上に、複雑だ。
大企業だけが繁栄すれば、国家が成り立つなどは幻想でしかな
い。
大企業は、国を超えて活動できるのだが、国家の運営は、わが
国の国土のなかにしかない。

本来であれば、中小企業が活躍することで国は安定していくこ
とになる。
ただし、補助金漬けにするような弱い中小企業を、数だけそろ
えても一時的な経済運営は可能だろうが、人口が縮小し、国家
が弱体していくプロセスのなかでは、補助金漬けにした中小企
業では企業を成長発展させていく力は育たない。
求められる中小企業とは、あくまで独立自尊で企業を成長発展
させることができる企業であり、その経営者だ。

自然災害が増加していけば、海外からの投資が増えていくこと
は少なくなるだろう、今起きている中東紛争をみていくことで
よくわかってくるだろう。リスクが大きなエリアでは、投資が
引いていくのは、どこも同じだ。
グローバル企業というところは、儲けを考えて行動するのが原
理原則だ。
投資先としてのわが国の魅力は、自然災害が少なく、政治や経
済が安定し、有能な労働者を確保でき、社会インフラが整備さ
れていることだ。
円安も有利に働くだろう。

他方、自然災害の頻度が上がれば、それだけ投資リスクになっ
ていく。
わが国がおかれた状況は八方ふさがりのようにみえるのだが、
ただひとつだけ、中小企業だけは可能性を秘めている。
そのうえ数が多く、就労人口の割合が高い。
最後のフロンティアだ。
わが国の中小企業は、大化けする可能性が高いのではないだろ
うか。

最後に、地域を支えることができるのは、本物の中小企業だ。
本物でなければならない、決して偽物ではない。
偽物は、地域やそこに住む人間生活を壊していく。
これからの時代は、中小企業の真価が問われると同時に、その
真偽も問われることになる。
まがい物が多い社会だからこそ、中小企業の誠実な企業行動は
社会のなかで輝く時代がくる。

『強くなければ生きていけない。優しくなければ生きていく資
格がない』
中小企業にピッタリの言葉だ。

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