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中小企業

強くて、優しい地方の中小企業

きのう『強くなければ生きていけない。優しくなければ生きて
いく資格がない』という言葉は、中小企業にピッタリだ、と書
いた。
私が知る中小企業は、まさにこの通りだ。

わが家の次男は、ある企業の信州事業所に勤務しているのだが、
海外出張が多く、家を空けることもしばしばだが、自然環境は
すばらしい。
AI時代のなかで繁栄を謳歌している精密技術をもつ部品メーカ
ーだ。
投資も旺盛だ。
今後も、さらに利益があがるだろう。
先を読んだ国内・海外投資をしかけている。

きょうの話は、こちらではない。
息子のお嫁さん(外国人)が勤務する中小企業の話だ。
お嫁さんの両親は、今でも外国に在住しているのだが、年老い
てきたのか、病気がちになってきた。
とくに母親の病状があまりよくないらしく、父親は、毎年、国
に帰ってきてくれることを望んでおり、娘(お嫁さん)も、そ
れにこたえてあげたいようだった。

そんな背景があったのだが、数年前、お嫁さんは、母親の介護
のために有給休暇(このときは介護休暇は使用していなかった
と思うのだが)を利用して母国へ帰った。
当初、帰国したときは、2週間ほどだったのだが、今では2カ
月くらい休んでいる、しかも、今年は、すでに2回帰国した。

私は、会社がよく許すね、と息子に聞くと、お嫁さんが帰国し
た場合、母国からリモートで仕事をしている、と話していた。
お嫁さんが勤務する中小企業は、このような変則的な勤務を許
してくれているし、また勤務である以上、給料が支払われてい
る。
粋な計らいだ。

こんなことができるのが中小企業だ。
まさに中小企業らしい、と私は感心した。
お嫁さんが勤務する地方の中小企業は、すでに海外進出してい
るので、外国人従業員の雇用が必須となっている。
そのため、外国人であるお嫁さんは、この中小企業から柔軟な
勤務形態に対応してもらっている。
中小企業の雇用は、これからの時代、日本人を含めて雇用にお
ける柔軟性を大切にしていかなければならない。
むしろ、それを前提に利益を上げていくことが普通になるだろ
う。

もちろん、雇用形態の柔軟性と同時に、従業員への均等待遇は
必要なのだが、従業員には、それぞれの事情があることも多く、
その点をうまくマネジメントできる経営者がいる企業ほど事業
が伸びていく、と予想される。
とくに有能な社員ほど長期雇用が必要なのが中小企業だ。
大手企業のようにルールにがんじがらめになる必要はない。

毎日しっかりと働き、会社へ貢献する従業員には、賃金で報い
ていけばよい、とくに業績給によって処遇することだ。
中小企業は、大手企業のように比較的均質な従業員ばかりで事
業をおこなっているわけではなく、いわば多様な従業員によっ
て仕事をおこなっているものだ。
大手企業は、大規模かつ従業員数が多く、それに対応するため
に各種制度に基づき事業活動をおこなっているのだが、中小企
業は、地元在住の従業員を中心に、雇用の苦労を伴いながら事
業活動をおこなっている企業が多い。
その点で、中小企業ほど、雇用の柔軟性が必要であると同時に、
報酬におけるメリハリが必要になる。

ちなみに、お嫁さんが国内で働く場合、賃金はさほど高くない
し、残業はほとんどない。
地方の中小企業の賃金体系をみるようだ。
昨年、次男のお嫁さんは、転職をしようとしていたのだが、母
国への帰国が簡単でないことを知り、転職を断念した。
地方の中小企業では、いかに介護でもあっても、長期の帰国を
許可し、さらにリモートワークを認めるようなことは、とくに
転職時に認めることはしないのが一般的だろう。
自分で獲得した処遇や権利を、どのように活かしていくは、本
人(従業員)の問題であり、企業が考えることではない。
お嫁さんは、自らこのような勤務を会社へ要望し、リモートワ
ークを獲得した。
このような対応をおこなった経営者には「あっぱれ」と称賛し
てあげたい。
企業は、次男のお嫁さんに今の処遇で勤務してもらえることに
メリットがあると考えており、長期間の帰国とリモートワーク
を許可してくれているのだろう。
それが従業員と企業の基本的な雇用関係だ。

企業と従業員の関係はこれでよい。
ただし、中小企業ほど、処遇に対する柔軟性を取り込んで、従
業員を長期雇用することには、相応なメリットがある。
中小企業ほど、少し考え方を変えて処遇の在り方を見直すこと
が重要だ。
日常の従業員との会話になかに、ちょっとしたヒントがあるこ
とも多い。

強くて優しいとは、従業員を甘やかすことではない。
物事の本質をつかみ、それに対応していくことだが大事なのだ、
ということだ。
理由は、中小企業ほど、人間が中心となって事業を進めている
からだ。
大手企業の画一的な処遇ではなく、中小企業ほど、柔軟で、し
かもいろいろなやり方が選択できることが強みになる。

中小企業は、従業員の退職理由を安易に放置してはならない。
そこに従業員が企業に求める根本的な課題があるからだ。
中小企業ほど経営者の経営能力の差が明確になっていく時代だ。
厳しい時代だが、働き甲斐がある時代がきている。
何回も書いているのだが、中小企業の海外展開は必須だ。
次男のお嫁さんが勤務する地方の中小企業は、海外事業所を展
開し、海外販売を積極的におこなうことで売上を上げている。

地方だから、中小企業だから、といった閉鎖的な考え方はなく、
果敢に海外へ挑戦している。
このような中小企業は、多くの人が知らないだけ、たくさんあ
るのではないだろうか。

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