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中小企業

赤字指向の経営者は、企業を成長発展させることはない

日本の中小企業をみてきた私は、数は少ないのだが、その多く
の経営者は赤字指向だった。
もっと詳しく書けば、利益がでるようだとわかると、いろいろ
なものを購入していた。
設備投資であればまだしも、あまり必要だと思われないものま
で購入する。
決算を赤字にするためだ。
そして税金を少なくする、あるいは払わない。

もっとも、国や自治体の補助金だけはせしめるのだが、中小企
業を支える施策は補助金だけではない。
先ず、信用保証協会による約40兆円規模の公的保証があり、政
策金融公庫の低利融資、あるいは金融円滑化法以降定着した条
件変更柔軟化という金融保護が、中小企業を支える基盤だ。
次に、軽減税率や欠損金10年繰越控除を含む税制優遇措置だ。
さらに続くのが、急速に肥大化している補助金。
最後にくるのが、事業承継税制や経営者保証ガイドラインなど
だ。

要するに、中小企業は、多くの施策によって優遇されている。
それにしては、経営者の経営に対する姿勢には、私がみてきた
範囲だが、利益を出し、事業を成長させていこうという意欲が
あまりなかった。
毎年、同じようなことを繰り返す。
あえて黒字にしない経営者は少なからずいる。

社会に貢献するという姿勢は、ソニー子会社を含めて、実際の
経営実態のなかにはみられない。
私が尊敬する元ソニー子会社の社長でもだ。
そんなことよりも、いかに正しい利益を出していくかに専念し
ていた。
最終的に利益を出し、納税し、配当することになる。
設備投資は、事業計画のなかで対応するので、期末に利益がで
るからといって、急いで設備投資をおこなうことなどない。
事業計画は、利益計画だ。
利益を出すことが求められるのが、経営の本質だ。

キャッシュフローとの関係でいえば、税金を払って残るがキャ
ッシュだ。
赤字経営を続ける経営者は、キャッシュアウトさせていくので、
いずれ現金は枯渇するのだが、そこを保証協会の融資や補助金、
低利融資など、あらゆる中小企業保護施策を利用して生き延び
ているのが中小企業の姿でもある。

中小企業の問題は、利益管理ができていないことだ。
事業計画はないし、あっても精度は低い。
精度が低いのは、それを実行していく社員の能力を開発してい
ないからなのだが、小さな企業ほど事業計画がないことも多か
った。
いわば行き当たりばったりだ。

そんななかでも、利益計画をつくらずとも利益を出すことがで
きる中小企業がある。
私の取引先などだ。
ビジネスモデルが確立している。
独自性があるモデルなので、毎年売上、利益とも上がっていく。
賃金を上げる、設備投資する、それでも利益があがるので、税
金を払い、現預金が増えていく。
現在、簡単な事業計画を指導しているところだが、あせってや
らせることははしない。
はじめは、遊びでやっているようなものだ。
事業計画でも楽しさがなくてはならない。
中小企業でも、楽しくないものは、長く続けていくことができ
ない。

結局、キャッシュを増やす経営とは、黒字経営を続けていくこ
とだ。
赤字を続ける経営者は、時間差はあるのだが、いずれ経営に息
詰まる。
借入ができたとしてもカンフル剤でしかない。
カンフル剤が切れれば、黒字倒産する。
キャッシュが切れだす経営のなかでは、経営者が胃薬を飲んで
戦っていた。

結論から言えば、事業を成長発展させる経営とは、毎期黒字決
算をおこなっていくことだ。

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