普通に考えれば、すぐにわかることなのだが、特徴がある製品
やサービスを販売する企業ほど、標準的な販売方法を構築する
ことはむずかしい。
取引先が求める製品やサービスは千差万別だし、顧客の要望も
様々なものがあるだろう。
ところで、次の記事が日経関連で掲載されたいた。
『人工知能(AI)によっていずれ消える職種とも言われた「
営業職」。ところが直近、正反対の現象が起こっていることを
ご存じだろうか。営業に伴走するAIサービスが次々と生まれ、
短期間で腕利きのセールスパーソンを育成する環境が整い始め
たのだ。これを受けて、富士通のように大幅な人員増を図り、
組織強化に動く企業も現れている。AIの進化が、営業職の存
在価値をかえって高めている事実は、運命のいたずらなのかも
しれない』
私が在籍していた企業では、富士通のERPを導入したのだが、
在籍していた企業の要求はすさまじかった。
もちろん、標準機能で対応できる経理や給与などのERPソフト
はカスタマイズをしないで導入した。
それ以外の分野、とくに販売部門や創業経営者が考えている仕
組みに対する要求水準が高く、何度打合せを繰り返したことだ
ろう。
限界への挑戦だった。
当時のレベルでは、他社が追随できないものだった。
優れた創業経営者だった。
このような経営者を相手にするのだから営業職やシステムエン
ジニアの人間は大変だ。
今、AIの時代だが、営業やシステムエンジニアの仕事は、顧客
の要望を理解し、可能な限りはやく対応できることが求められ
る。
その点、顧客の要求からシステム会社の開発部門への連携では、
AIを活用することはできるだろうが、顧客の要求を、すべてAI
へ投げかけても正当な回答はできない、と思われる。
標準化できないということは、その部分において収益を上げて
いくことができるということであり、その分野は、その企業の
独自性を色濃く出している。
そこで稼いでいる。
打ち合わせに参加していた私は、創業経営者が求める要求水準
が高く、富士通の営業担当やシステムエンジニアと、なかなか
会話がかみ合わないシーンを何度みたことだろうか。
事業を伸ばすことができる創業経営者の執念はすざまじい。
出来上がったシステムが稼働してわかったことなのだが、事業
の成長拡大に威力を発揮した。
創業経営者は、私とみている視点が違っていた。
その差が経営能力なのだ、と知った。
詳しく書けないが、スピードの点では、ソニー子会社以上のは
やさで業務がをおこなえるようになった。
今だ衰えることがない成長力があり、当時と比べものにならな
い発展をしているし、その中核にあるのは、やはり人と人との
コミュニケーションだ、と信じている。
営業力がある企業だったが、今も、それは続いているのだろう。
AIは営業職を成長させるツールとしてはよいのだろうが、顧客
の真の要求をつかんでいくのは、どんな時代であったとしても
人間である。
富士通だけではないが、キーエンスなども営業力を強化してい
る企業だ。
物事の本質をわかっている企業の行動パターンは同じように人
間を中心として経営スタイルになる。
この点で、中小企業には大きなチャンスがある。
もちろん、やり方は、大企業とは違う。