中国とのビジネス関係はむずかしい。
政治がかかわってくることが多く、企業からすれば、そのリス
ク管理は容易ではない。
しかも、中国国内の賃金が上昇し、現地生産を進めてきたわが
国の大手企業の多くが、中国国内の生産から撤収しはじめてい
る。一方、中国の国内市場は巨大だ。
わが国の自動車メーカーの現状は『日本の自動車メーカーは中
国の急激なEV(電気自動車)シフトや現地メーカーとの価格
競争により苦戦が続いており、2025年の通年販売はメーカー間
で明暗が分かれました。2025年の販売実績は、トヨタが通年で
4年ぶりのプラス(178万400台)となった一方、ホンダは5年
連続のマイナス(64万5,345台)、日産は7年連続のマイナス
(65万3,024台)となりました』とネット情報にでていた。
どうもトヨタ以外は、中国市場における販売力を失いつつある
ようだ。
トヨタのすごさは、コストを生産活動の中心におき、徹底した
開発コスト対策と競合他社を打ち負かす販売価格にある。
すさまじい企業努力だ。
もっとも、日本の下請け企業は、それについていくだけで大変
だろう。
日本国内におけるカンバン方式は、下請け企業へ在庫を押し付
けるという離れ業を、見事にやってのけた。
そんな日本の国内環境は、徐々にではあるのだが、壊れようと
している。
米国のトランプ関税であり、中東紛争の影響、さらに中国自動
車メーカーの台頭だ。
自動車生産は部品点数が多く、この点でも中国の部品メーカー
が力をつけてきた。
トヨタは、このような環境の変化をすでに感じ取っていたよう
だ。
次の記事<一部抜粋>を目にした。
『トヨタ自動車が中国コスト、すなわち中国市場における価格
を前提とした部品調達に舵を切り始めた。中国メーカーが作る
部品の価格は、トヨタ系部品メーカーのそれよりも2割から5
割も安い。日本メーカーからすれば、まさに「価格破壊」だ。
それでも、この中国コストに応じられない部品メーカーは「た
とえ系列関係にあろうと早晩、トヨタの調達戦略から切り捨て
られる。トヨタ系部品メーカーの多くが大きなダメージを負う
だろう」という見方が自動車セクターのアナリストの間で浮上
している。
実際、中国市場において今、「トヨタ系部品メーカーが軒並み
トヨタからの受注を大幅に減らしている」(中国市場に詳しい
経営コンサルタント)。メガサプライヤーと呼ばれるデンソー
やアイシンも例外ではない。中国の部品メーカーに低価格競争
で惨敗し、失注を重ねているのだ。
原因は、トヨタが中国の自動車メーカーに価格で真っ向勝負す
る決定を下したことにある』
トヨタが部品調達で「中国傾斜」ーー系列メーカー「切り捨
て」の始まり | スマートニュース![]()
中国を攻めるには、やはりコストだ。
現地の中国車と勝負するには、コスト面で太刀打ちできる中国
の部品メーカーと手を組むことが必要だからだ。
本当は、それだけだろうか、と私は思っている。
中国においてトヨタの完成車に占める現地部品メーカーのポジ
ションが確立すれば、欧米やわが国においても部品産業の中核
に据える可能性がある。
トヨタの世界における販売力は、中国の部品メーカーにとって
も魅力的だろう。
中国部品メーカーとしてもトヨタと組みたいはずだ。
そこがトヨタの狙いでもある。
今、挑戦しておくことで中国部品メーカーから優位な取引条件
を引き出せるだろう。
トヨタは、したたかな企業だ。
今後、世界で戦うということは中国車との戦いになる。
中国市場で販売力を強めるとともに、中国市場のコスト競争に
勝ち抜くことで、改めて世界を目指せる。
あくまで生産コスト面の話なのだが、トヨタにとって中国車と
の戦いは、まさにコスト競争の戦いになる。
コスト競争に勝てば、ブランド力があるトヨタは、中国車の台
頭に真っ向勝負ができる。
日本の中小企業が独自性を築かなければならいないのは、大手
製造業が日本国内の製造に戻ることはむずかしいからだ。
しかし、目を世界に向ければ、製造業は至る国にある。
中小企業の利点は、すばやく動けることだ。
ニッチにおけるよい製品を開発し、すばやく対応することで世
界で戦える。
日本の中小企業の技術が優れているのはわかっていることだ。
むしろ自社の技術を活かすところを探さなくてはならない。
世界にでるとは、自分で世界を歩くことだ。
なにも本当に歩かなくとも、歩く方法はいくらでもある時代だ。
創意工夫は、あらゆるところでやるものだ。
中小企業にとって、本当の技術力が試されるおもしろい時代が
やってきた。
さあ、挑戦だ。