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言葉

私が書くことは、二人の師とのおしゃべりだ

人間関係が苦手な私は、他人と話をすることが少ない。
仕事は目的があるので話ができるのだが、普通の人間関係で話
をしても、そもそも他人の話の内容がおもしろくないと思って
しまう。
相手からしても、私の話などおもしろくないだろう、と想像す
る。
お互い時間の無駄だ。

本来、無駄にも効用があるのだが、話すことや相手に共感する
ことが少なく、これまでの人生ではあまり記憶に残る話がない。
ある記事に「世間話や遊びに明け暮れる人の言葉には力があり
ません」とあった。
多分だが、この内容はその通りだと思った。
私の言葉には力がない。
仕事をしていたようで、遊んでいたのだ。

自分では真剣になにかを考えて生きてきたつもりなのだが、他
人様には、単なる遊びに明け暮れた人間の言葉だ。
他人に響くわけがない。
そんなわけで、私はおしゃべりが苦手なので、おしゃべりの代
わりに毎日書くことで、ひとりでおしゃべりしている。

その記事に「リーダーに必要なのは、言葉巧みに語ることでは
ありません。真理に基づき、誠実に、余分を削ぎ落とした言葉
を持つことです。そのためには、内面(=人間性)を磨き続け
る姿勢が不可欠です。言葉の力は、人間的な成長と内面の充実
から生まれます」と続く。
私が師と仰ぐ方たち、二人だけだったが、この内容通りで、言
葉に力があった。

私もその人たちに近づこうと努力してきたのだが、究極のとこ
ろで挑戦が不足していたと思う。
サラーリマン社会だといっても、そこには多くの挑戦や自らの
葛藤、あるいは運や不運など人間を取り巻く環境の厳しさがあ
る。
そこで地位を上がってきた昭和の人間には、人間のなかから出
てくる力強い言葉を発することができた。
その人たちは、中小企業のオーナー経営者以上に力ある言葉を
もっていた。
たかが、サラリーマンなのだが、仕事は、人間を鍛える。

サラリーマンでも、鍛えられた人間には、言葉に力があった。
さらに、その人達の言葉には、優しさがあふれていた。
いわゆる包容力だ。
だから、私は、その人たちのもとで、必死に仕事をした。
私の人生でもっとも充実していた時代だ。

その後、このような人生にでくわすことはなかった。
私が知り合った中小企業のオーナー経営者には、この人たち以
上の言葉をもつ人がいなかったからだ。
たかがサラリーマンなのだが、大企業は、人を育てていた。
それは単なる研修ではない。
常に企業活動という常在戦場のなかで、この人たちは鍛えられ
ていた。
中小企業が成長できない理由のなかのひとつは、経営者の言葉
に力がないからだ。
見事になかった。
なぜ、中小企業の経営者には、言葉の力がなかったのだろうか。

私は、話す人を失った。
そんな私は、おしゃべりはできないのだが、書くことはできる。
そんな毎日は、二人の師とおしゃべりをしているようなものだ。
短い時間だが、私にとって充実した時間になる。
今日も二人の師と会話ができる。
なんと楽しいことだろう。

中小企業の経営者は、記事を読んでみる必要がありそうだ。

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