私は人間関係は苦手なのだが、他者に対する畏敬の念はもって
いる。
理由は簡単だ。
私一人では、なにもできないからだ。
身近なことでは、ネット通販には配送してくれる人が必ず存在
する。
また、毎日家から出るごみを収集してくれる人たちがいる。
この人たちがいなくなった世界など考えられない。
私の生活は、他者の存在の上に成り立っている。
先日読んだ新聞にあった内容だが、マンション管理をする事業
者が、管理契約を更新しないケースが増えているらしい。
契約が終了した途端、ごみ出しや管理費の徴収、あるいはマン
ション管理組合の運営などを居住者で担わなくてはならなくな
る。
考えただけでも恐ろしい。
マンションの管理を行う事業者は、相応な経費の値上げを要求
してくるようだ。
こんな社会が、すぐ近くにきている。
当たり前だった社会生活は、一瞬にして消える。
こんなとき人間は、はじめて一人ではなにもできないことを、
体得するだろう。
私は、週3回生ごみの収集日にゴミ置き場を掃除するのだが、
その理由は、きれいにしておきたいことと、もうひとつは、ご
みを収集してくれる人たちへの感謝だ。
よごれていれば、ホースで水を撒く。
社会というところは、一人ではなにもできないところだ、と掃
除をしながら体に教え込んでいる。
それが嫌なら仙人に近い暮らしをするほかない。
私は、現在のような厳しい局面が続くことは日本人にとって、
とても良いことだと思っている。
当たり前の生活が何によって成立しているかを痛いほどわかる
ようになるからだ。
私は痛い目に合うのが嫌だし、面倒なことを避けていきたいの
で、他者の生活を考えてあげることが必要になる。
便利な生活は、無料で享受できるわけがないし、相応な経費が
求められるのが自然だ。
今の暮らしが続けられるように、他者の暮らしにも思いを馳せ
る。
宅配をしてくれる人たちやごみの収集をしてくれる人たちの暮
らしだ。
社会システムがスムーズに運営されていく費用が上昇していく
ことを是認することは、自分の暮らしを守るうえでも必要なこ
とだ。
マンションの管理ではないが、ある日突然、普段あった機能が
止まることほど、自らの生活が脅かされることはないだろう。
人間がやってくれる仕事には価値(意味)がある。
それも当たり前とされるものほど大きな価値をもっているもの
だ。
これからの時代、人間が一人では暮らせないという意味を、嫌
というほど知ることになるだろう。
私は人間関係に寄りかかっていないのだが、まわりには、私を
助けてくれている人たちが大勢いることだけは認識している。
このような人たちが、普通に暮らしていくための値上げは当然
なのだ。
配送費やごみ収集費が急激に上がるのは困るのだが、社会情勢
に対応した値上げは受け入れっていこうと思っている。
今日は、家電ごみを収集してくれる日だった。
わが家は、ひとつだけ古い家電を出したのだが、きちんと収集
してもらった。
収集してくれた人たちやしっかりとしたごみ収集制度をつくっ
てくれている市にも、感謝しかない。